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ぬか床の再生・復活


我が家には、大切にしているぬか床があります。

帰省 ぬか床とともに



先月義母が入院したとき、

病院の食事では食が進まないので、

ぬか漬けを食べたいとリクエストされました。

義父が連日取りに来て、

持って行っってもらったのですが、

その時に随分とたくさん野菜をつけました。



ぬか床の調子もよく、

美味しく漬かっていたので、

私も気を良くして、

どんどん漬けていました。

大量の水分が出たのですが、

少量の塩と糠をたしただけで、そのままに。

今思えば、ぬか床を働かせてばかりいました。

バランスが崩れたのですね。

(水分をもっときっちりととるべきでした)

だんだんと味が落ちていき、

家族も手を伸ばさなくなり、

漬ける量も減っていきました。



いやな予感は的中。

シンナーのような臭いがしてきて、

とてもじゃないけど、美味しい漬物が

できる状態ではなくなってしまいました。



数日捨て漬けの野菜を入れて様子を見ましたが、

状態はよくならないので、

糠と塩を足してそっとしておくことに。

一日3回くらい、蓋の間に鼻をつけて、

ちょっと臭いを確認するだけ。

(部屋にこもってしまった子どもを

見守っているお母さんのような気分になりました)

5日くらいして、表面にうっすら白いものが。

これは酸膜酵母といって、

ぬか床に必要なもの。

よくカビと間違えて、捨ててしまう人がいるのですが、

これはとても大切なものなのです。

昨日はその酵母が増えて、

シンナー臭が消えていました。

ようやく美味しいぬか床の香りが

戻ってきました。

ぬか床の再生・復活_c0367444_16575099.jpg
もうちょっと酸膜酵母にがんばってもらい、

そのあと、全体を混ぜてみようと思います。

そしてさらに数日、捨て漬けの野菜で

様子をみようと思っています。



一年に何回か、状態が悪くなることが

あるのですが、ここまで悪化したのは、

数年ぶりでした。

でも、ぬか床は生き物なので、

必要な栄養(塩とぬかと野菜)を与えて

そっとしておけば、菌たちが本来の役割をして、

うまくまた調和を取り戻してくれます。

大事なのは、あせってかきまぜすぎず、

そっと様子をうかがうこと。

酵母や菌の持っている力を

信じることが大切なのだと、

改めて今回も考えさせられました。




昨日は3月11日。

一日中テレビで

東日本大震災の追悼番組を流していました。

ぬか床をかたわらに、

生命の強さ、たくましさを

東北の方々に思っていました。

ぬか床と一緒にするなんてと、

お叱りを受けそうですが、

そのいのちの力を信じることは、

全く同じことだと私は思うのです。




必要な栄養を届けること。

忘れないで、思いをよせること。

そこに生きている人々が本来のいのちを

輝かせることを、信じて祈り続けることが、

私たちにとって必要なことなのではないかと

思いました。



本来のいのちの輝きを。

よいバランスと協力と調和を。

一日も早く取り戻せますように。



by tomozoushigaya | 2016-03-12 06:34 | | Comments(0)
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